テンポのいい語り口と、江戸の町人から現代のギャルまで多彩なレパートリーを演じ分ける落語界の鬼才、柳家喬太郎が映画初主演。遅咲きの主演俳優の登場に、公式上映された東京国際映画祭では海外の映画人から「あれは誰か?」との問い合わせが殺到した。娘の璃子には、E-girlsのメンバーで、『ソロモンの偽証』など女優としても確かな演技力を見せる石井杏奈。二人は吉野監督と共に、撮影の二ヶ月前から広島弁の方言指導と心の距離を近付けるためのワークショップを積み重ねた。その成果は、劇中での広島弁の絶妙な掛け合いに活かされている。

監督は、初長編『あかぼし』が自主製作にも関わらず第25回東京国際映画祭・日本映画ある視点部門に出品され、小さな公開にも関わらず、「映画藝術」の13年度邦画全作品591本のうち第25位に選出された、注目の新鋭、吉野竜平。東日本大震災の悲しいニュースを目の当たりにして、「ありふれていても一生忘れない宝物のような一日を描ければ」という思いを込めて本作に臨んだ。父娘が東京でふれあう人々には、声優界のトップを走り、女優としても活躍する朴璐美、人気コントグループ「東京03」の角田晃広、ベテランの柳川慶子、劇団「城山羊の会」の演劇や「テラスにて」の石橋けい、「アルコ&ピース」の平子祐希、ラサール石井、山村紅葉が登場、各界で活躍する実力派が揃い、主演の二人を頼もしくサポートしている。主題歌として、その独自の世界観で熱狂的な支持を受ける東京カランコロンが歌う「ひなげし」の郷愁を誘うメロディが作品世界を豊かに彩っている。さらに、本作は来年10月に、吉野監督と共同脚本を手掛けた本田誠人の作、演出で、柳家喬太郎の主演によって舞台化【ペテカンvol.40『スプリング、ハズ、カム』THE STAGE(仮)】が決定している。

1963年、東京都出身。
日本大学商学部在学中より落語研究会に所属。4回生の時に、関東大学対抗落語選手権で優勝を果たす。卒業後は大手書店に就職するが、落語への情熱冷めやらず、’89年10月に柳家さん喬に入門。同年12月に、新宿末広亭にて初高座を務める。古典落語を継承しつつも、文学調からナンセンス・ギャグまで多彩な新作落語にも腕を振るい、’99年には新作落語「午後の保健室」で、平成10年度NHK新人演芸大賞落語部門大賞を受賞。さらに、’00年には、12人抜きで真打に昇進し、その実力を不動のものとする。以降も、国立演芸場花形演芸会大賞3年連続受賞(’05〜’07)、文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞(大衆演芸部問)(’06)など数々の賞に輝く。’14年より落語協会理事に就任。また、’03年より春風亭昇太らと共に「SWA(創作話芸アソシエーション)」を旗揚げする一方、「擬宝珠」、「綿医者」といった演者の絶えた古典演目の蘇演にも力を注いでいる。新作落語の代表作は、「純情日記横浜篇」、「ほんとのこというと」、「夜の慣用句」。週刊文春で「川柳のらりくらり」の選者を務めている。俳優としては、「ちゅらさん4」(’07/NHK)、「坂の上の雲」(‘09/NHK)、稲垣吾郎主演舞台「ぼっちゃま」(’11)などに出演、本作では初の主演を務める。

1998年、東京都出身。
小学2年生よりダンスを始め、13歳の時に’11年2月から全国5都市で開催された「EXILE presents VOCAL BATTLE AUDITION3~For Girls~」にて選出。ガールズ・エンタテインメント・プロジェクトE-girlsのメンバーに最年少で加入する。’12年3月からO.A.された大塚製薬「ポカリスエット−親から子へ篇−」のCMの後、女優業をスタート。映画『ソロモンの偽証:前編・事件/後編・裁判』(’15)では、容姿にコンプレックスを抱き、友の死に直面したショックで声が出なくなるという、少女の葛藤を繊細に演じ、鮮烈な印象を残した。同作と『ガールズ・ステップ』(’15)で、’15年度ブルーリボン賞新人賞を受賞。ドラマ「仰げば尊し」(’16/TBS)では、’16年度コンフィデンスアワード・ドラマ賞新人賞を受賞。若手女優としての地歩を確かなものとしている。主な出演作は、『LIVE! LOVE! SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版』(’16)、『世界から猫が消えたなら』(’16)、『四月は君の嘘』(’16)、’17年には、EXILE HIROがエグゼクティブプロデューサーを務め、第40回モントリオール世界映画祭ワールドコンペティション部門最優賞芸術賞を受賞した『たたら侍』が公開を控えている。

1972年、東京都出身。
‘93年、円演劇研究所への入所を経て、’95年より演劇集団円に所属。舞台活動を続ける一方、観劇に訪れたアニメ監督の富野由悠季に見出され、テレビアニメ「ブレンパワード」(’98)にて声優デビューを果たす。以降は、男女問わず幅広い年齢の声を演じ分け、「∀ガンダム」(’99)のロラン・セアックや「鋼の錬金術師」(‘03)のエドワード・エルリック、「NANA」(’06)の大崎ナナなどの主役から物語のキーパーソンとなるキャラクターまで、独自の存在感を放ち、多くのアニメファンから支持を得る。’04年には、東京国際アニメフェア2004声優賞受賞、’07年には前述の「NANA」(’06)の演技により、第1回声優アワード主演女優賞を受賞。また、洋画の吹き替えでも活躍し、ヒラリー・スワンク、ヘレナ・ボナム=カーター、ミシェル・ロドリゲスなどの声を多く演じる。’12年には、吉野竜平監督の長編デビュー作となる『あかぼし』で実写映画初主演を務め、夫の蒸発で人間不信となり、小学生の息子を抱えながら新興宗教にはまっていく母を演じて、新境地を切り開いた。

1973年12月13日東京都出身。
‘03年に豊本明長、飯塚悟志と共にお笑いトリオ“東京03”を結成。日常に潜む些細な出来事を3人の微妙な人間関係によってトラブルへと発展させていく芸風から、「究極のリアル系コント」とも呼ばれる。舞台を中心に活動する一方で、「爆笑オンエアバトル」や「エンタの神様」にも数多く出演。’04年、第4回お笑いホープ大賞で大賞を受賞。’09年には、キングオブコント2009の王者に輝いた。また、角田自身はプロ級のギターテクニックと歌唱力を活かし、‘09年の「ゴッドタン マジ歌選手権」で歌ってきた「若者たちへ」で、大竹マネージャーと共にメジャーデビューを果たす。お笑い以外の活動では、『男子高校生の日常』(‘13)、『内村さまぁ~ず THEMOVIE エンジェル』(‘15)などの映画やテレビに出演するなど幅広く活躍。『オー・マイ・ゼット!』(’16)では、初の映画単独主演を務めた。

1936年、京都府出身。
‘56年より俳優座養成所第8期生として活動していたところ岡本喜八監督にスカウトされ、映画『結 婚のすべて』(‘58)で女優デビュー。同年、東宝に入社し、多数の映画に出演するが、’63年に東宝を退社。劇団雲を経て’75年に演劇集団円に設立参加する。以降は、円での舞台活動と並行してドラマにも活躍の場を広げ、数多くの作品に出演している。主な作品に、『ハワイの若大将』(’63)、『帝銀事件死刑囚』(‘64)、『江分利満氏の優雅な生活』(’63)、NHK大河ドラマ「徳川家康」(’83)、「青が散る」(’83/TBS)、「夕空はれて」(’84/TBS)、舞台「ペリクリーズ」(’76)、「かもめ」(’87)など。

1978年、神奈川県出身。
‘92年、14歳でドラマ「NIGHT HEAD」にてデビュー。翌年、東映連続ドラマ「有言実行三姉妹シュシュトリアン」で次女役・山吹月子を演じ注目を浴びる。ウルトラマン「~ティガ」「~ダイナ」「~ガイア」の平成ウルトラ3部作全てに出演を果たした。一方、’00年、タ・マニネ第2回公演「悪戯」(演出:岩松了)で初舞台を踏んだことをきっかけに演劇の世界にも活動の場を広げ、佐藤信演出「リア王の悲劇」(‘04) tpt「桜の園」(‘05)などに出演。’08年には、CMディレクター山内ケンジのCM「コンコルド」(静岡県限定O.A.)への出演をきっかけに、山内の脚本・演出による演劇ユニット・城山羊の会公演「新しい橋~le pont neuf~」に参加。以降、岸田國士戯曲賞受賞作「トロワグロ」(’14)、映画「ミツコ感覚」(‘11)、「友だちのパパが好き」(’15)「At the terrace テラスにて」(’16)など、山内作品に欠かせぬミューズとして独特な世界観を体現する存在となる。

1978年、福島県出身。
‘06年、酒井健太と共にアルコ&ピースを結成。コントトと漫才をマルチに使い分ける お笑いのスタイル。’10年、東京、大阪の二大都市で開催した初の単独ライブで実力を培い、’12年には「THE MANZAI2012」の決勝戦で笑い飯を下して2位に入賞したことで一気に知名度を上げる。翌’13年には「笑っていいとも!」の準レギュラーとして水曜日を担当する。また同年、ニッポン放送「オールナイトニッポン」(LF)に抜擢され、3年間にわたってパーソナリティを務めた。現在は、「超ハマる!爆笑キャラパレード」(CX)に単独で準レギュラー出演中、またラジオでは冠番組「アルコ&ピースD.C.GARAGE」(TBS)のパーソナリティーを務めている。

1982年、神奈川県出身。
法政大学在学中よりニューシネマワークショップを受講、映像制作を開始。 大学卒業後、日本映画学校にて撮影照明技術を専攻。声優として活躍する朴璐美を主演に、カルト宗教にのめりこむ親子を描いた初長編監督作品『あかぼし』(’12)は、その完成度の高い脚本、緻密で力強い演出が注目を浴び、’12年東京国際映画祭に出品。本作では前作での苛酷な母子像から一転、地方都市から上京してくる娘と父の部屋探しを通して、どこにでもいそうな父娘のありふれた一日をあたたかい眼差しで切り取ってみせた。’15年に、東京国際映画祭へ出品され、主演の柳家喬太郎と石井杏奈の好演で高い評価を得た。

1974年、宮崎県出身。
劇団ペテカンの役者であり、作、演出を手掛ける。若手劇団として高い評価を受けていたペテカンだったが、2013年、東京芸術劇場で上演した「上手に笑えないまさこさん」(主演・ラサール石井)は連日満席を記録し、その人気と実力を不動のものとした。演劇のみならず、Kis-My-Ft2メンバー出演のTVドラマ「平成舞祭組男」脚本参加。’17年10月公演予定のペテカンvol.40『スプリング、ハズ、カム THE STAGE(仮)』では、本作同様、柳家喬太郎を主演に迎え、作・演出を務める。。

いちろー(Vo.Gt)、せんせい(Vo.Key)、おいたん(Gt.Cho)、佐藤全部(Ba)、かみむー氏(Dr)による中毒性の高い強烈な個性が爆発する男女ツインヴォーカルバンド。大型フェスイベントへの出演や東京カランコロン主催のサーキットイベント「ワンマ ソ フェス」を開催するなど続々と注目が上がる中、2016年に開催された「ワンマ んツアー」では、ファイナルを日比谷野外音楽堂で開催する等、全10公演を大盛況のうちに終える。数々のイベントで唯一無二の楽曲とライブパフォーマンスを見せつけ、精力的に活動中。